「人魚のミイラ」の正体、科学の目で判明。

日本で10個以上あると言われる人魚のミイラ。2月7日。特に有名な、岡山県円珠院(えんじゅいん)の所蔵する「人魚のミイラ」を倉敷芸術科学大(同県倉敷市)の研究者らは、X線やCTスキャンなどで科学的に分析し、「人魚のミイラ」の正体を突き止めました。

このミイラは、「元文年間(1736~41)に土佐の海で漁網にかかった人魚」と記す書き付けとともに桐(きり)箱に収められていましたが、寺に来た経緯はわかっていませんでした。全長約30センチ。正面を向く眼窩(がんか)や耳、鼻、頭髪、5本指の両腕など霊長類を思わせる上半身と、うろこに覆われた魚の下半身。一時は、猿と魚の合成だとも言われた時期がありました。

調査の結果、あご以外の頭や脊椎(せきつい)、肋骨(ろっこつ)といった主要な骨格がなく、造形されたものだったと発表されました。頭部はほぼ綿でできていて、部分的にしっくいや石膏(せっこう)のようなもので整えられていました。上半身は布や紙、綿などの詰め物などを土台にして紙とフグの皮でできていて、下半身はニベ科の魚類の皮で覆われていた。はがれ落ちたうろこから、1800年代後半に制作された可能性が高いといいます。

検査の結果、人の手で作られたものという結論でしたが、信仰を集めているミイラ。これからもお寺でも大切にお祀りしてくれるといいですね。

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