日本最古の貨幣といえば、「和同開珎」と覚えた方も多いことでしょう。しかし、今は違います。今の教科書では、日本最古の貨幣は「富本銭」なのです。富本銭とは一体何なのでしょうか?
1999年1月19日、奈良国立文化財研究所が富本銭は日本最古の流通貨幣である可能性が極めて高いと発表しました。それまでは、和同開珎(わどうかいちん・わどうかいほう)が日本で作られた一番古いお金と言われてきました。和同開珎は、708年に武蔵国秩父郡から銅が産出されたことを記念して、年号を「和銅」に改元するとともに、製造された貨幣です。皇朝十二銭と呼ばれる、12種類の銅銭の最初になります。
対して「富本銭」は、飛鳥池工房遺跡(7世紀(601~700年)後半)の発掘調査により、かけらも含めて34枚が出土します。その後の発見も含めると、遺跡全体では300枚ほどが見つかります。さらには、鋳造道具や鋳造用の炉や窯の跡も発見されるなど、飛鳥池工房遺跡が造幣工場であったことが明らかとなったのです。このようにして、富本銭が日本最古の貨幣へと認定されるにいたりました。
どんどん新しい歴史が発見されていきます。これからは、皆さんがすばらしい発見をしていくかもしれませんね。
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