難しい話になります。
「パーラミター」(仏教の生まれたインドのサンスクリット語)を、川を挟んだ向こう岸、すなわち「彼岸」に例えたのが私達日本人の伝統行事「お彼岸」なんですね。反対に、私達の生きる煩悩の世界はこちら側の岸「此岸(しがん)」と呼ばれています。日本古来の自然観や先祖崇拝の影響から、亡くなった家族やご先祖は迷いのない「彼岸」へと渡り、時々私達の生きる此岸に姿を現すと考えられるようになりました。春分の日と秋分の日には、太陽が真東から上り真西へと沈みますが、それによって彼岸と此岸とが通じやすくなり、これらの時期に先祖供養をすることでご先祖の冥福を祈るとともに、自らもいつか迷いのない彼岸に到達できるよう願ったのです。ひと口に「お彼岸」と言いますが、彼岸と此岸(あの世とこの世、すなわちご先祖と私たち)とが交流する行事であり、そのための場所が「お墓」なんですね。
難しい言葉ばっかりでしたが、お彼岸にお墓参りをする理由が、何となくお分かりいただけたでしょうか。
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